リレーコラム



2014年9月
リレーコラム『購買は価値を買う』  
     調達革新研究所 代表  八木 君敏
 
 買いと売りについて考えてみると、営業ではコトラーのマーケッテイング理論があります。「より良いものを提供する」(マーケテイング1.0)→「顧客満足をめざす、顧客の課題を解決する」(2.0)→「顧客の感動を創造する」(3.0)があります。これらのことから特にB to Bの営業では「提案型営業」や「ソリューション営業」更に「デザイン・イン営業」の必要性が言われています。

 一方の購買では、単に「QCDを満足するモノを調達する」(手配購買)から、大幅なコストダウンを達成するために「サプライヤの知恵や技術を買う」(査定購買)、更に顧客の感動を得る「新製品の魅力的な機能を買う」という開発購買による価値を買う重要性が高まっています。このことは営業の進化と購買の進化はデザイン・インに向かっているともいえるのです。「販売はモノを売る、営業は価値を売る」は営業のイロハとのこと。そして営業も 購買も顧客の感動を得るためにお互いが知恵を融合して価値を協創することが求められているのです。

  知っているのと”できる”はちがう購買の基本的な役割はQCDの確保向上といわれて久しい。そのためにはQCDに関係する知識なくしては務まりません。また、調達する対象品の仕様やものづくり現場工程についても知っていることが必要です。調達品の仕様性能や関係する技術、製品メーカーや商社や材料・機械・治工具などの業界内容と動向、製品の規格規制・品質管理のやり方や管理水準、モノづくり製造設備・工程の順序や加工スピード・ワーカー熟練と賃金や 物流などの原価に関する知識、安定調達のためには経営の財務状況の把握などなど。

 さらに加えて開発購買で成果をあげるためには調達品に関連する固有技術とVEやTDなどの管理技術を熟知していなければ務まりません。購買に必要な知識をよくよく考えてみるとこれは大変なことです。特に管理技術は知っていても活用していなければ“知らないのと同じ”でもあります。知っているのと、やっているのは違います。やっていてもできていなければ成果につながりません。そのためにはスキルレベルの確認とスキルアップ計画が必要となるのです。



 
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