リレーコラム



2014年12月
『銀行統合の意味するところ』  
     一般社団法人日本資材管理協会 主任研究員 / 末永 浩之
 
 これまで先送りされていた、破綻懸念先企業の整理が始まり数年後には現在の2割 以上の企業が経営破綻すると推測されますので、経営不振企業に対する対策を今のうちに講じてください。
  地方銀行の実質的なリーダーである横浜銀行と営業拠点を多数抱える東日本銀行の経営統合が発表された数日後に、九州に拠点を構える超優良経営の肥後銀行と優良経営の鹿児島銀行の経営統合が発表されました。 銀行の統合はこの後も進むと思われます。 それが何故、倒産件数の拡大に結びつくのでしょうか。

  円高になっても以前ほどの効果が無いのは、日本の生産拠点が海外に展開しているため輸出が増えない、ということは皆様が一番良くご存知ですが、地方銀行は自己資本比率の関係から国内で融資している企業と一緒に海外に行って決済業務を直接取り扱うことが出来ませんでした。
  しかし、今回の合併で自己資本比率を高め、海外決済業務にも積極的に取り組むことが可能になる基礎が出来ました。 勿論、縮小傾向の国内事業の囲い込みを図りながら、政府主導の地域に密着した新規事業や創業支援を行うのは間違いありません。

 これにより、良い銀行の合併を行う傍ら、経営の厳しい銀行の統合を積極的に進められる環境も整備され始めました。 発表の順番として、経営不振の銀行の統合を先に発表すると景気が悪い印象を国民に与えるため、成長戦略の一環として大義の立つ優良な銀行の合併発表を先行させたのだと筆者は推測しています。

  優良な銀行も、経営不振の銀行も、融資先の債権区分の評価を統一しなければなりません。A銀行では融資出来てもB銀行の基準では融資不的確の判断がされる場合があるのです。経営不振の銀行の融資先の債権区分は救済側の評価基準より甘い場合が多いです。区分の見直しをすると債権区分のランクが下がり問答無用で融資がストップされます。

 廃業や事業譲渡は経営破綻ではありませんので、まずはこのスキームで整理を始めます。というよりもこのスキームはもう始まっていますが、その規模が拡大してくると思います。そして消費税がUPすると、間違いなく国内需要は一時にせよ縮小しますので、脆弱な資金繰りの企業は延命が出来なくなり経営破綻企業が増えるのは間違い無いのです。その時にあわてても手遅れです。取引先の見直しと対策についてまだ時間はありますので社内のコンセンサスをとってください。



 
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