リレーコラム



2015年2月
『海外調達の起源―こぼれ話』  
     一般社団法人日本資材管理協会 主任研究員 / 腰越 功
 
 最近のさまざまな報道で頻繁に見受けられる略語にTPPというのがあり、大いに議論を捲き起こしている。 これは「環太平洋経済連携協定」であるが、類似の略語ではEPA,FTAがあり更にCISG,
WTO,GATTなどが続く。これらの略語の内容は果たしてどれくらいの人に理解されているだろうか。

 日本は通商国家といわれて久しく、事実世界のあちらこちらから膨大な資源を輸入し、逆に加工品を世界中に輸出することで貿易立国としてこれまで発展してきた。しかしそれは大きな国際通商条約の枠組みの中でのことであったのだが、一般はおろか貿易業務にたずさわる直接の当事者でさえそのことはあまり知られていない。  
 
 わが国の貿易の歴史を溯ってみれば、旧くは遣唐使に始まり勘合貿易、朱印船、朝鮮貿易、日米通商協定などと続く。徳川時代は鎖国時代といわれるが、当時の朝鮮とは正式に交易関係があったことはあまり知られていない。これは秀吉が朝鮮出兵にこりて、“あそこへ手を伸ばしてはならん“と家康に申し送りをした結果らしい。  
 
 閑話休題、日米通商協定は不平等条約とし広く知られている。世界史との言葉があるがこれはヨーロッパ諸国と彼らによる支配の現代史であって、これに中国とインドの一部が加えられたに過ぎない彼らの個別王朝・国家の歴史そのものである。しかし純粋に貿易だけを捉えてみれば、アフリカの東海岸、アラビア半島それにインド大陸を結ぶ所謂イスラム圏の貿易関係が極めて活発であったことも事実である。その名残りはケニヤのモンバサやインド西海岸のコーチンなどに足を運んでみれば色濃く見て取れる。



 
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