リレーコラム



2015年6月
「資材管理士に求められる知識と役割」
   
~調達のプロフェッショナルとしての仕事力を磨く 
     近藤モノづくり研究所 代表 近藤 學
 
 製造業において資材調達部門の果たす役割は重要です。原価低減による利益創出、新技術・新調達先の開拓による自社製品の競争力向上、調達における最適Q・C・Dの実現とリスク管理など、経営に直結した課題の達成が期待されます。また、こうした課題達成には、調達先との良きパートナーシップ・信頼関係が不可欠です。取引先との接点である調達業務に従事する資材担当者(バイヤー)は、公正・公明・公平な取引関係をめざし、誠実・公正であることに加えて、幅広い知識とスキルが求められます。

 そこで、資材の専門性とはどのようなものでしょうか。モノづくり企業の営みとしては、研究・開発・設計・試作・量産・販売・アフターサービスといった川上から川下への流れがありますが、資材業務は中流域に位置づけられます。先述の資材部門への期待に応えるには資材調達に関する専門家とならなければなりません。資材調達における専門家とは、原材料・半導体・金属加工品・樹脂成形品などの調達について、第一人者となることです。専門性が高いとは、一般的にはI字型(一つの領域を深く)ですが、資材担当者の専門性は、川上の開発・設計でのそれとは、目指すところが異なります。たとえば、メカ部品担当であれば、設計図面と取引先の財務諸表の両方が読める能力が求められますから、理系・文系の双方に通じていなければならないのです。

 安定調達に向けては、取引先管理(取引先評価・選定等)のスキルも必要となります。また、自社内の開発・設計部門と取引先を仲立する機能も担っていますから、実務に長じている必要があります。資材担当者は、自らの付加価値(エンプロイアビリティ)を高める為、専門知識と技能の修得に努めなければなりません。

 具体的には、自社の調達部門における「コアコンピテンス」は何かを整理し「職能要件」に落とし込んでみるのが有効です。そこから資材担当自身のスキルマップとキャリアパスにつなげていくことが肝要です。 私は、永年の会社生活の中で次の「仕事の公式」を実感してきました。
 仕事の結果(成果)=考え方(取り組み姿勢)×情熱(パッション)×知見・能力(スキル)
この仕事の三要素をバランスよく備えるよう努めるのがバイヤーとしての仕事力を高めることになると考えます。



 
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