リレーコラム



2016年5月


「先進企業の調達~バリューチェーンの全体最適化~」 

     株式会社福原イノベーション研究所 代表取締役社長兼CEO 福原政則
 

 2016年5月27日、昨日オバマ米国大統領が被爆地・広島を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花された。日本に原爆を投下した米国の現職大統領として初めてとなる歴史的な被爆地訪問と核なき世界への理想を掲げたオバマ氏の演説が世界中に報道された。
オバマ氏は2009年のプラハ演説で「核兵器のない平和で安全な世界を目指す」と公約し、世界中から称賛されノーベル平和賞を受賞された。しかしながら、現在の日本でも近隣諸国の核兵器は現実の脅威であり、米国が提供する『核の傘』の重要性が増しているのが実態で、核抑止を確保しつつ、核軍縮・不拡散に取り組むという、地球規模での『核の全体最適化』が世界の国々にとって重要な課題になっている。

 一方、企業では、『バリューチェーンの全体最適化』が各社の重要な課題になっている。バリューチェーンとは、「開発→設計→調達→生産→物流→販売→サービス」といったサプライチェーンや、技術開発、人材育成などの企業活動が一連の流れの中でその都度、付加価値(バリュー)を生み出していくものと捉え、そのような付加価値を生み出す企業の活動をマイケル・ポーター氏が著書『競争優位の戦略』の中でバリューチェーンと呼び、各々の活動の構成要素の効率を上げるか競合他社との差別化を図ることで企業の競争優位は確立されるとされている。

 現在、このバリューチェーンの全体最適化を担う中心が先進企業では調達部門になってきている。外部リソースの活用が得意な調達部門がバリューチェーンの様々な活動を相互に結びつけ全体最適化することで、顧客ニーズに柔軟に対応することが可能になり、顧客により高い価値が提供できるようになる。つまり、個々の機能を独立して構築するのではなく、それらを上手く連結させることが調達部門の役割になってきている。
 具体的には、開発、設計、製造、調達の各々の機能ではサプライヤとの共存共栄の関係があり、部品製造を委託して自社で組み立てをすることでコスト効率を向上させたり、受注生産で在庫を最低限にするなど、バリューチェーン上の機能の特徴が組み合わさって、コスト効率の最適化の強みがつくられていく。また直販により、物流コストも最適化が図られる。

 以上のことから、これからの調達部門は、これまで以上に広範囲なバリューチェーンの知識と様々な環境変化へも柔軟に対応できるスキルが必要になる。従来のQ(品質)・C(コスト)・D(納期)の改善による『生産性向上』だけではなく、顧客やサプライヤ、自社も含めたバリューチェーンの全体最適化による『企業価値の向上』に貢献できるよう、自ら考え、自ら調べ、自ら行動する姿勢が必要である。
 調達業務を進める上で必要な基本知識やスキル、基本マインド、調達出身の経営者の経歴などを学び、自らの将来の目指すべき姿を描く講座を企画した。是非、多数の調達関連の方々に受講して頂き、調達担当者として即戦力になって頂きたい。
(株式会社福原イノベーション研究所 代表取締役社長兼CEO 福原政則)

※福原氏のセミナーは7月1日(金)『調達担当者に必要な基礎知識とキャリアアップ




 

 

 

 

 

 

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